ついに実現してしまった名岐ダービー。
「実現してしまった」と表現したのは、この対決をできればJ2ではなく、J1の舞台で見たかったからだ。
実際クラブ側も「岐阜にだけは負けられない!」「何が何でも名古屋に勝つ!」というよりは「名古屋と岐阜で一緒にダービーを盛り上げようね」という雰囲気の方が強かったように思う。
そんな試合前の穏やかな空気とは打って変わって試合は非常に白熱したものとなった。21,878人のサポーターが集まったスタジアムで躍動したのはFC岐阜の選手たち。
奇しくも「ボールを保持し続ければ負けることはない」という同じコンセプトでクラブを作ってきた両監督だが、現時点ではFC岐阜の完成度が上回り、前半はパス回しで名古屋を翻弄。名古屋守備陣がギリギリのところで踏ん張るという展開が続いた。
結果的には1-1のドロー。
かたや試合を支配し先制点を奪ったものの、決定力不足から終了間際にセットプレイで追い付かれてしまった岐阜。
かたや目指すサッカーを逆に相手に展開され、成熟度不足を露呈した名古屋。
どちらも簡単に解決できるわけはない課題だが、第2節という早いタイミングで確認できたことをポジティブに捉えたい。
これからの長いシーズン、両クラブがどんどん進化していくのを目の前で追いかけることができるこの興奮を、名岐ダービーが地域とともに刻んでいく歴史を肌で感じることができるこの幸運を、じっくり噛みしめていきたい。