2017年のJ2リーグ日程が発表された時、楽しみにしていた試合の内の一つがこの京都戦だった。
その期待はやはり本当に多くのサポーターが感じていたようで、名古屋グランパス史上2位となる36,755人が豊田スタジアムに駆け付けた。
そのお目当てはもちろんこの男。田中マルクス闘莉王。
2010年から7シーズンに渡ってチームを鼓舞してきた名古屋の闘将が、京都サンガの一員として豊田スタジアムに帰ってきた。
対戦チームの選手ながら、背番号4のユニフォームを着た名古屋サポーターを本当にたくさん目にした。
しかし今の名古屋グランパスの背番号4はシャルレス。FW起用されて以降点を取りまくっている闘莉王に仕事をさせるわけにはいかない。
闘莉王からキャプテンを引き継いだ田口泰士も思いは同じ。ボランチということで闘莉王と対峙し、体を張り続けた。
その他にも本多勇喜、
望月嶺臣、
石櫃洋祐、
そしてメンバー入りしていなかったが牟田雄祐と、京都には名古屋で共に闘った選手が数多く在籍していることもあり、選手たちは一際大きな思いを持って試合に臨んだと思う。
だが、空回りしたのか試合内容は今ひとつとなってしまった。FKから先制を許すと引いて守る京都のディフェンスを崩しきれず大苦戦。後半アディショナルタイムにシモビッチのゴールで追い付くのがやっとだった。
ここ数試合、特に前半の出来が悪いのが気になる。勝ち点3を手に入れるにはやはり先制点の重要度は高い。成熟させるのに時間がかかるサッカーとはいえ、気が付けばシーズンの4分の1を消化した。怪我人も増えてきた。ここからJ1復帰までの道のりが監督や選手にはどのように見えているのか。
サポーターにとっては安心しきれない状況がまだまだ続きそうだ。
最後にこの日一番のお気に入りシーン。
勢い余って看板に衝突し、倒してしまった小屋松。ピッチに戻ろうとするとグランパスゴール裏から大ブーイング。そこへやって来たのが闘莉王。小屋松を促して一緒に看板を直すとブーイングを大きな拍手に変えてみせた。