「内容はそこまで悪くない」
そう思い続け、気が付けば10試合勝利なし。4月にはプレーオフまであと一息の8位につけていた順位も、降格圏が伸ばす手に絡みつかれそうな18位に。
このままいつもの定位置まで落ちてしまうのか、それとも這い上がるのか。非常に重要な一戦となった。
難波とシシーニョの前線からのプレスでボールを奪い幸先良く先制。
が、前半39分と46分に立て続けに失点。あっさりと逆転を許してしまう。闘莉王と小屋松のゴールはできれば昨シーズンたくさん見たかった。
よくアディショナルタイムに得点すると「いい時間に決めた」と言うが、これに関してずっと疑問を感じている。
なぜなら失点した側はハーフタイムに修正する時間がしっかりできるからだ。
それよりも後半早い時間帯に失点する方が、想定していたプランが崩れる影響は大きいのではないかと思っている。
その仮説が正しいのかどうかは分からないがこの日の結末はこうだった。
後半開始直後1分で美しいパスワークから大本のゴールで同点に追い付いた岐阜が、9分にも大本のクロスがオウンゴールを誘い3-2と逆転。
布部監督は今シーズンの核であるケヴィン・オリスと闘莉王を下げて戦術面でも打開を図るが、古巣対決となった大木監督がそれを許さない。
前半は最終ラインまで下がってでボールを回すことに終始していた庄司も、後半は高い位置で効果的にボールを配球。
チャンスらしいチャンスを作らせず、長良川競技場は11試合ぶりの勝利に沸いた。
今回勝敗を分けるポイントとなったのは「得点の時間帯」だと思う。
前半ATに失点した岐阜は「後半いかに逆転するか」にHTの多くの時間を割いたであろう。
一方京都は「後半早々に逆転される」という展開をどこまでイメージしていただろうか?
「もし小屋松のゴールが前半ATではなく後半開始直後だったら」「大本のゴールが後半開始直後ではなかったら」
タラレバを考えても何も変わらないが、それでもタラレバを考えることはとても楽しい。