止まっていた時計が動き出した。
7月12日、雷雨により後半20分で中止になった名古屋グランパスvsヴァンラーレ八戸の再開試合。
スタジアムに到着すると、試合開始前だが時計は20分を指していた。
八戸が得点をあげない限り、たった25分しか行われない試合にもかかわらず、名古屋からも八戸からも、そしてよく分からないけどその他諸々の物好きなサポーターが集結した。
前回の対戦から移籍や怪我で両チームスタメンが変更に。
久しぶりの先発(?)出場に練習から燃えていた田鍋だったが・・・。
ちなみに審判も第4審判が変更になっていた。
過去の例を見ても難しいのが立ち上がり。一瞬でもスキを見せると、通常とは違うリズムに飲み込まれかねない。
そのリズムに乗ったのは八戸だった。
スローインから始まるという特殊な状況。FKを獲得すると、直接狙ったボールを渋谷がファンブル。そのこぼれ球をきっちり押し込み同点。
渋谷は今日も不安定なプレーに終始。キックも飛距離は出るが、味方のいないところに蹴りすぎている。今日も渋谷がボールに絡むと周りがざわつく出来だった。
すると風間監督はわずか7分で迷わずシモビッチ投入。交替選手は田鍋だった。
交替を知らされて田鍋はこの表情。「追い付かれたらシモビッチを投入するから」と、事前に伝えておかなかったのだろうか?
シモビッチ、押谷が立て続けにシュートを外した時点では延長戦を覚悟したが、
押谷のCKからワシントンが頭で合わせてゴール。
押谷は中断前の一戦に続いてCKからのアシスト2本目となった。
点を取るしかない八戸はパワープレイを試みたが、最少失点で切り抜けた名古屋が4回戦へと駒を進めた。
それにしても八戸サポーターには本当に頭が下がる。平日にわざわざサッカーを応援に来るだけでなく、2試合を通して声量が本当に凄かった。応援に関しては名古屋の完敗だった。
また、八戸の選手が名古屋ゴール裏に向かって挨拶した際、八戸コールをしなかったコールリーダーには失望を覚えた。まあ八戸の頑張りにすっかり余裕を失っていたのだろう。
そして最後に、やはり気になるのは田鍋の扱い。
試合前に「同点に追い付かれたら田鍋に替えてシモビッチを投入する」と伝えていたならまだ分からなくもないが、田鍋の様子を見るにそのような配慮はなかったように思う。
「勝てば官軍」というように勝てたからまだよかったものの、挨拶時の田鍋の死んだ目を見ると、風間監督の選手マネジメントにも疑問が残る試合となってしまった。
田鍋に対しては挨拶時に名前を叫ぶことくらいしかできなかったが、次のチャンスには監督を見返す活躍をしてほしい。